栄養バランスのよい食事
身長に限らず発育にとっては栄養バランスのよい食事が欠かせません。
栄養素は大きく6つに分類されます。
牛乳は身長を伸ばすからといって牛乳だけ飲んでいても健康にはよくありません。それぞれをバランスよく摂取することが大切です。
群 | 栄養素 | 主な食物 | 主な働き |
1群 | たんぱく質 | 魚・肉・卵・大豆・大豆製品 | 骨や筋肉を作る |
2群 | 無機質[カルシウム] | 牛乳・乳製品・海草・小魚 | 骨や歯をつくる |
3群 | カロチン | 緑黄色野菜 | 皮膚や粘膜を保護 |
4群 | ビタミンC | 淡色野菜・果物 | 体の機能を調整 |
5群 | 炭水化物 | 砂糖・穀類・イモ類 | エネルギー源となる |
6群 | 脂肪 | 油脂類・脂肪の多い食品 | エネルギー源となる |
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身長とタンパク質
身長を伸ばすにはバランスのとれた栄養が必要ですが、中でも重要なのは「タンパク質」と「カルシウム」です。
「タンパク質」の英語名プロテインがギリシャ語で「第一の、最も重要」を表しているように、体にとって非常に大切な栄養素です。体をつくる細胞自体の主成分もタンパク質です。
タンパク質は骨や筋肉をつくりますが、成長ホルモンの分泌を促す働きもあります。昔と比べ日本人の平均身長が伸びたのは、このタンパク質の摂取が増えたからだと考えられています。
タンパク質の1日の必要摂取量は体重×1〜2gといわれていますので、それを目安に摂取するようにしましょう!
タンパク質を豊富に含む食品 |
肉類(牛肉、豚肉、鶏肉)
魚類(まぐろ赤身、かつお、ぶり、さんま、車えびなど)
卵、乳製品(牛乳、チーズなど)
大豆製品(豆腐の中でも高野豆腐は多くタンパク質を含む) |
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身長とカルシウム
身長を伸ばす話になると「牛乳を飲みなさい」といったようなことをよく聞きます。それは牛乳に含まれるカルシウムが身長に大きく関わっているためです。
カルシウムとは主に骨や歯を作る(強化する)働きのある成分です。体内のカルシウムは、その99%が骨と歯に含まれていますが、他にも神経系の活動に不可欠な成分となっています。
また注意すべきなのは体内のカルシウムが不足した場合は、骨に含まれるカルシウムで補うので、カルシウム不足が続くと骨が弱くなります。ひどい場合は骨粗しょう症などになってしまいます。
カルシウムの一日あたりの必要な摂取量は、成人の場合で約600mgといわれています。日本人は以前と比べるとカルシウムの摂取量が少ないことが指摘されていますので、しっかり補給しましょう!
※同じくミネラルの成分であるリンもカルシウムと結合して骨を丈夫にしてくれます。リンは加工食品は鳥のささみなどに多く含まれますが、とりすぎると逆に骨を弱くしますので注意してください。
カルシウムを豊富に含む食品 |
乳製品(牛乳、チーズ、ヨーグルトなど)
海産物(わかめ、うなぎ、しらす干し、干しえび、鮭など)
野菜(かぶの葉、小松菜、切干大根、野沢菜など)
大豆製品(豆腐、納豆、油揚げなど) |
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身長とマグネシウム
ミネラルの中でカルシウムに次いで身長にとって大事な成分はマグネシウムです。
マグネシウムは体内にある量のうち半分が骨・歯に含まれるほど成長に大きく関わりのある成分です。
マグネシウムはカルシウムが骨の中に入るのを助けてくれます。そのためカルシウムを効果的に吸収するにはマグネシウムが必須になります。
カルシウムとマグネシウムは2:1で効果的に働きますので、カルシウムにあわせてマグネシウムを摂取するとよいでしょう。
カルシウムを豊富に含む食品 |
玄米、ひじき、黒豆、わかめ、セロリ、
アーモンド・ピーナッツなどのナッツ類
大豆、穀類、ほうれん草、牡蠣(カキ) |
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身長と亜鉛
亜鉛はタンパク質や細胞組織の形成の働きのさる成分です。また亜鉛は成長ホルモンの分泌を活発にし、骨の形成を促す作用があります。
身長の高い人には亜鉛が多く含まれるというデータもあり、身長に大きく関わる栄養素の一つになっています。
また亜鉛は味覚を感知する細胞を形成する働きがあるので、亜鉛が不足すると食欲が減退し、ひどい場合は味覚障害となります。
亜鉛は一日15mgが接収量の目安ですが、ただ通常の食事ではなかなか補えないので、その場合はサプリメントなどを利用するとよいでしょう。
亜鉛を豊富に含む食品 |
牡蠣(カキ)、豚レバー、牛もも肉、豚モモ肉
卵黄、ごま、するめいか、ココア、煮干し
アーモンド・カシューナッツなどのナッツ類
たけのこ、うなぎ蒲焼、納豆、ホタテ |
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成長期にありがちな注意すべき食生活
ここまで身長と栄養について述べてきましたが、食生活が乱れていてはどうしようもありません。現代人、特に成長期にあるような子どもの食生活の乱れはよく話題になります。
以下に成長期にありがちな「食生活について注意すべき8つのポイント」をまとめましたので参考にしてください。
【食生活について注意すべき8つのポイント】
1 朝食をとらない
2 間食が多い
3 夜食が多い
4 糖分・脂肪の多い食品(インスタント食品、お菓子)をよくとる
5 カルシウム、ビタミンB2、食物繊維が不足している
6 肉類が多く、魚をあまり食べない
7 塩分の多い食事をよくとる
8 偏食が多い
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